実家じまいを終えました

ここのところちょこちょことブログにも書いてきましたが、
ようやく「実家じまい」を終えました。
以下、少し重めの話、長い話になるかもしれないので、興味のある方だけお読みください。

我が家は実家の土地建物だけでなく農地も所有していたので
コロナ禍に母が亡くなってからの4年間はなかなかにしんどい思いをしました。
農地の草刈りが全く間に合わず、行政からお叱りのご連絡をいただいたこともあったし
ただ所有しているだけで固定資産税に電気代・水道代・水田の水利組合費などなど、
様々な維持費が驚くほど高額になることも…。
草刈りなど建物や敷地の維持管理のために頻繁に通うことも難しいし、
心理的にも物理的にも金銭的にも負担がかなり大きく、
さらにサポートしてくれる叔父・叔母や親戚の年齢的なこと、
また子供の世代には絶対にこの苦労はさせてはならないとの思いから
もう処分するなら今年しかないと決め、とりあえず実家を手放すことにしました。
(農地に関しては現実的に手放すことが難しい個所もあり、今後も維持を続けていく予定です。)

実家の土地建物という「モノ・場所」に対しての愛着ももちろん大きかったのですが、
江戸時代から同じ場所に住み続けてきた「家の歴史」に幕を引くのは
かなり葛藤がありました。仏壇や位牌はどうする?とか…すっごく悩みました。
我が家は菩提寺に全て預けて永代供養という形をとりましたが、
これも正解がない問題。
私は兄弟がいないので、基本的には自分ひとりで考えて決め、
しかるべき方々に了承を取る形で進めましたが、
兄弟が多いと協力してもらえる可能性もある分、反対意見もあったりして
それはそれで大変なんだろうなと思ったりもします。
家や家族、先祖への思いはそれぞれですし、現実問題とは全く別ですからね。

また、実際に直面してわかったのが
「手放すこと自体にこんなにもお金がかかるんだ!!!!」という衝撃の事実。
維持管理にも費用がかかり、さらに処分にも多額の費用がかかり…
これ以上マイナスにならないようにと私は思い切って決断しましたが
街の中で何十年も放置されているであろう空き家を見るたびに、
そうだよね、そうなるよね…と、胸が痛くなります。

少子高齢化が進む中、実際にいま相続や空き家問題で悩んでいる方や
将来直面しそうな立場にいらっしゃる方はたくさんいると思います。
私は両親ともに急死だったため、話し合う間もなく
その責務を負うことになりましたが、
もし可能であれば、親世代の方がお元気なうちに
ご家族で思いや情報を共有しておくことをお勧めします。
遺すほうも遺される方も後悔や負担は少ない方がいいですし、
話し合う中でお互いへの思いを再確認する機会にもなると思います。

まだ処分してから日が浅いので、スッキリした!でもなく、寂しい…でもなく、
気持ちの整理がついていない状態ではありますが、
重責を果たすことができた安堵の気持ちがいちばん強いかな。
今後気持ちが変化するかもしれませんが、いまはとりあえず、そんな感じです。

とても好きだった、座敷の襖。
右から春夏秋冬それぞれの景色が描かれています。
松竹梅の欄間も美しくて、いい思い出です。

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